あおり運転で問われる罪と対策  弁護士 江幡 博之

あおり運転とは

あおり運転とは,道路を走行している自動車やバイク,自転車などの他の車両に対し,周囲の運転者が運転中にあおり,道路における交通の危険を生じさせる行為を言います。

あおり運転の具体例としては

・車間距離を狭める,幅寄せをする

・追い掛け回す

・前方に割り込んだ後,急ブレーキをかける

・パッシングをしたり,クラクションを鳴らす

などが挙げられます。

2017年6月に東名高速での執拗なあおり運転の末に起きた死亡事故や(この事故に関するコラムはこちら),今年の8月に起きた常盤道でのあおり運転など,近年,あおり運転による被害が報道で取り上げられることが多くなりました。

 

おあり運転で問われる罪

あおり運転を行った場合に問われる罪としては,以下のようなものがあります。

道路交通法違反

道路交通法は,同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行する際には,前の車両が急停止したときでも衝突しないように車間距離を保つように定めています(道路交通法26条)。

あおり運転により,前の車との車間距離を詰めすぎると,車間距離の保持義務違反となります。

罰則としては,一般道の場合は,5万円以下の罰金です。高速道路の場合は,危険性が高いため,3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金となります。

暴行罪

「暴行」とは,「人に対する不法な有形力の行使」と定義されています。

あおり運転により,幅寄せなどをした場合には,仮に車同士の接触がなかったとしても,不法な有形力の行使とされ,暴行罪が成立する場合があります。

暴行罪の刑罰は,2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です(刑法208条)。

危険運転致死傷罪

危険なあおり運転により交通事故が起こり,被害者が亡くなったり,怪我を負った場合には,「危険運転致死傷罪」が成立する可能性があります。

危険運転致死傷罪は,アルコールや薬物等の影響で交通事故が発生した場合に適用される例が多いのですが,あおり運転でも成立する可能性があります。

2017年6月に東名高速で発生した交通事故では,あおり運転をした加害者は危険運転致死罪で起訴され,裁判所は同罪の成立を認めました。

危険運転致死傷罪の刑罰は,怪我の場合は15年以下の懲役,死亡の場合は1年以上20年以下の懲役となっています。

 

あおり運転をされた場合の対策

車の窓とドアの鍵を閉める

今年のお盆に常盤道で起きた事件は,被害者の方は加害者と話をしようと思って車の窓を開けたところ,加害者に複数回殴られるという被害に遭いました。

あおり運転をするような方と話し合っても解決には至らず,かえって被害が拡大するおそれもあります。

ですので,相手が車から降りてきても話し合おうとせず,車の窓とドアの鍵を閉めましょう。

 

警察に通報する

昨今,あおり運転が問題視されていることから,警察はあおり運転の取り締まりを強化しています。

車を止められ,相手が車から出てきて近づいてきた場合など身の危険を感じたら,警察に通報すれば駆けつけてくれる可能性が高いため,すぐに通報しましょう。

 

安全な場所への避難

あおり運転により道路で停車させられそうになっても,可能であればその場から離れ,他の車や人がいる場所に避難してください。

特に高速道路での停車は,後続車に追突される危険性もあるので,道路では停車せずに,パーキングエリアなど安全な場所まで避難しましょう。

 

証拠化

ドライブレコーダーや同乗者に携帯電話で撮影してもらう等して,おあり運転の状況を証拠として残しておきましょう。

証拠が残っていれば,後で警察に提出することにより,加害者を適正に処罰してもらえます。

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