高速道路一部の制限速度引き上げについて 弁護士 江幡 賢

1 高速道路の制限速度引き上げ

警察庁は、令和2年7月22日、高速道路で一定の基準を満たす区間について、最高速度の制限を、これまでの時速100キロメートルから時速120キロメートルに引き上げる方針であることを明らかにしました。

1963年に日本で初めて高速道路が開通して以来、高速道路の最高速度が正式に時速100キロメートルを超えることは、今回が初めてです。

今回、制限速度が時速120キロメートルに引き上げられる区間は、以下の区間が予定されています。

①東北自動車道 花巻南IC~盛岡南IC

②東北自動車道 浦和IC~佐野スマートIC

③常磐自動車道 柏IC~水戸IC

④東関東自動車道 千葉北IC~成田JCT

⑤新東名高速道 御殿場JCT~浜松いなさJCT

 

2 速度制限引き上げの段取り

今回、制限速度が時速120キロメートルに引き上げられる区間は、東北自動車道の2区間、常磐道、東関東道、新東名高速道の合計4路線5区間、総延長約322キロメートルの区間で先行して運用される予定です。

警察庁は、高速道路の制限速度を引き上げるのに必要な交通規制基準を令和2年8月にも改正する予定にしています。その後、地元警察と高速道路会社との調整や、県公安委員会の決定を経て、標識整備などが順次進んでいく模様です。

実際に制限速度が引き上げられる時期は、各地域で異なるようですが、東北道では基準改正後まもなく制限速度が引き上げられる予定で、新東名高速道では本年度中に引き上げを予定しているそうです。

 

3 制限速度引き上げの基準と問題点

今回、制限速度が引き上げられる予定の区間は、時速120キロメートルでの走行が可能な設計となっており、カーブや勾配が緩やかで車線などに一定の幅が確保されています。

その中でも、「渋滞時以外の実勢速度が平均100キロ以上」「死傷事故率が高くない」「設計速度120キロの区間がおおむね距離20キロメートル以上」「安全・円滑上の支障がない」といった基準を設け、総合的に評価して今回制限速度が引き上げられる区間を決定しました。

制限速度の引き上げにより、利便性が向上することが期待されていますが、他方で、重大事故の発生が危惧されており、違反取り締まりを徹底することが必要であるとも指摘されています。

現在でも、高速道路を利用すると、制限速度を大幅に超過して走行する車が散見されます。高速道路の制限速度が引き上げられても、引き続き安全運転を心がけていただきたいと思います。

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江畑  博之

昭和56年新潟県燕市生まれ。平成14年新潟大学工学部化学システム工学科へ入学。卒業後、平成18年東北大学法科大学院入学する。司法試験に合格後は最高裁判所司法研修所へ入所し弁護士登録後、当事務所へ入所する。交通事故被害者が適切な賠償額を得られるよう日々、尽力している。

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