あおり運転厳罰化へ

以前、コラムでも取り上げたあおり運転ですが、警察庁は、2020年以降に道路交通法を改正して罰則を創設する方向で検討しているようです。

あおり運転とは、道路を走行している自動車やバイク、自転車などの他の車両に対して車間距離を狭めたり、前方に割り込んで急ブレーキをかけるなどの行為を言いますが、道路交通法ではあおり運転の定義はありませんでした。また、道路交通法では、車間距離の保持義務違反や進路変更などの個別の行為については規制があるものの、あおり運転自体を直接取り締まる規定はありませんでした。

そこで、道路交通法にあおり運転の定義を設けた上で、あおり運転自体の罰則を設けることが検討されています。

 

改正法の概要

①あおり運転の定義

現在検討されている改正法では、あおり運転の違反類型を挙げた上で、「通行妨害目的で、一定の違反で交通の危険を生じさせる恐れのあるもの」などとあおり運転を定義づけることを予定しています。

 

②あおり運転の刑罰

刑罰についてはまだ検討中の段階で、具体的には決まっていません。ただ、これまであおり運転で適用したことがある暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料)や強要罪(3年以下の懲役)などを踏まえて調整するとのことです。また、高速道路上で他の自動車を停止させるなどして、道路における交通の危険を生じさせた場合には、より重い刑罰を科すことができるように検討しているとのことです。

現在、道路交通法に規定されている車間距離の保持義務違反は、一般道では5万円以下の罰金、高速道路では3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金となっていますので、現状よりも厳罰化されるとみられています。

 

③あおり運転の行政処分

現在の道路交通法における車間距離の保持義務違反の点数は2点でしたが、改正法では、違反点数を15点以上にする方向で検討されております。

15点という点数は、過去に運転免許に対する処分がなかった者でも、欠格期間1年以上の免許取消処分が下されることになるため、大変重い処分となります。

 

改正法で期待される効果

2019年10月に警察庁が運転者を対象にアンケートを実施したところ、過去1年間にあおり運転の被害を受けた経験がある人は35%もおり、多くの人があおり運転の被害に遭っていることが明らかとなりました。

道路交通法の改正であおり運転自体を取り締まる規定を設けることにより、ある程度あおり運転を抑止する効果は見込まれます。

しかし、厳罰化だけではあおり運転を根絶することは難しいと思われます。そのため、運転免許取得・更新時の講習などを通じて、あおり運転がいかに危険な行為であるかを運転者に意識付けるなどの活動も必要になると思われます。

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