令和2年(2020年)の交通事故状況について 弁護士 江畑 博之

令和2年の交通事故発生件数、死傷者数

政府は、「令和3年版交通安全白書」の中で、令和2年の交通事故状況などを公表しました。

まず、事故発生件数は30万9178件で、令和元年よりも7万2059件少ない件数でした(前年比マイナス18.9%)

死傷者数は37万2315人で、令和元年よりも9万2675人少ない結果となりました(前年比マイナス19.9%)

死者数は2839人と統計がある昭和23年(1948年)以降最小となりました。ちなみに令和元年の死者数比べると、376人減っています(前年比マイナス12.9%)

 

死者数減少の理由として考えられるもの

月別の自動車走行距離のデータをみると、3月以降の走行距離は令和元年と比べて軒並み減少しており、特に4月と5月は前年よりも2割以上減少していることが確認できました。

令和2年4、5月は、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が初めて発令された時期です。緊急事態宣言下では不要不急の外出を控えるよう要請があったため、この要請に伴う外出自粛が交通事故における死亡者数の減少させる一因になったとみられています。

月別の交通事故死者数をみても、新型コロナウイルス感染症者数が拡大した4月以降、前年よりも減少しており、特に、8月は前年と比べて死者数が約3割減少しております。8月は旅行等で自動車を利用する機会が多くなる時期ですが、令和2年8月は感染拡大の「第2波」の時期であったことから、これも外出自粛による結果であると考えられます。

 

令和2年死亡交通事故の特徴

①年齢別の割合

令枝2年の交通事故死者に対する高齢者(65歳以上)の割合は56.2%となり、過去最大となりました。

この割合は年々増加しており、今後も増加していくものと考えられます。

交通事故死者の事故時の状態

歩行中が最も多く(1002件、35.3%)、次いで自動車乗車中(882人、31.1%)、の順で多くなっています。

歩行中と自転車乗用中の交通事故死者のうち、約7割は高齢者が占めています。この内、75歳以上の高齢者の割合をみると、歩行中は55.0%、自転車乗用中は46.5%となっています。

欧米諸国と比べても、日本は歩行中と自転車乗用中の交通事故死者数の割合が高くなっています。

③事故類型別

正面衝突が最も多く(918件、33.0%)、次いで歩行者横断中(651件、23.4%)、出会い頭衝突(346件、構成率12.4%)の順で多くなっています。

 

投稿者プロフィール

江畑  博之
江畑  博之
昭和56年新潟県燕市生まれ。平成14年新潟大学工学部化学システム工学科へ入学。卒業後、平成18年東北大学法科大学院入学する。司法試験に合格後は最高裁判所司法研修所へ入所し弁護士登録後、当事務所へ入所する。交通事故被害者が適切な賠償額を得られるよう日々、尽力している。
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江畑  博之

江畑  博之

昭和56年新潟県燕市生まれ。平成14年新潟大学工学部化学システム工学科へ入学。卒業後、平成18年東北大学法科大学院入学する。司法試験に合格後は最高裁判所司法研修所へ入所し弁護士登録後、当事務所へ入所する。交通事故被害者が適切な賠償額を得られるよう日々、尽力している。

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