「横断歩行者妨害の対策強化」について 弁護士 江幡 賢

「横断歩行者妨害」とは

同交通法第38条は、車両を運転するに際して、横断歩道を横断しようとしている歩行者や自転車がいるときは、一時停止して、通行を妨げないようにしなければいけないと定めています。

  【道路交通法第38条】

車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

一時停止率の実態

しかし、2019年10月にJAFが発表した調査によると、信号機のない横断歩道で実際に一時停止する車は、全国平均で約17%と非常に低い数値であることが発表されました。

つまり、この調査の結果では、日本人の約8割以上が、横断歩行者妨害をしているというということになります。

警察庁の摘発強化

この事態を受けて、警察庁は、大勢の外国人が来日する東京オリンピック・パラリンピックに向けて、横断歩道での歩行者優先を徹底する方針を決めました。

警察庁の発表によれば、2018年の1年間に全国の警察が横断歩行者妨害で摘発した件数、18万1290件にものぼり、2013年の約7万9000件と比較すると倍以上の摘発数になっています。

横断歩行者妨害の行政処分は、反則金6000円~1万2000円で、点数は2点ですが、罰則は3か月以下の懲役か5万円以下の罰金も定められていますので、決して軽い処分・罰則とは言えません。

新潟県の一時停止率

JAFの調査によれば、新潟県の横断歩道での一時停止率は36.2%で全国5位と比較的優秀な数値と言えますが、一位の長野県は68.6%と非常に高い数値でしたので、新潟県民もまだまだ横断歩道での意識を高めなければならないでしょう。

不停止の理由

一時停止しないドライバーの理由としては、「自分が停止しても対向車が停止しなければ歩行者がかえって危ない」「後続車がいなければ自分が通り過ぎた後に歩行者が渡れる」「方向者がいても渡るかどうか分からない」などといった理由を挙げる人が多いようです。

しかしながら、これらの理由は、決して不停止の理由にはならないので、横断歩行者妨害で検挙される可能性があります。

皆さんも、横断歩道に歩行者などがいるときは一時停止をするよう、今まで以上に心がけていただければと思います。

 

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