うつ病等 12級 60代男性 後遺障害非該当であった方が裁判を提起した結果、12級の後遺障害が認定された事例

相談者:60代男性  職業:自営業
後遺障害内容(傷害名)・部位:非器質性精神障害
後遺障害等級:12級
主な自覚症状:耳鳴り、難聴、不眠、意欲低下等


【当事務所の示談交渉サポート受ける前と受けた後の違い】

賠償項目 サポート後
損害合計額 380万円

ご依頼の経緯

依頼者は,新潟市内で交通事故に遭って怪我を負い、頚椎捻挫と診断されました。事故の数日後から耳鳴りを感じるようになりましたが、事故直後は頚部の痛みが強かったため、耳鼻科には通院せず、整形外科での頚部の治療を受けていました。事故後2ヶ月経過し、頚部の痛みは改善しましたが、耳鳴りが治まらなかったため、耳鼻科にも通院するようになりました。しかし、耳鳴りの原因は判明しませんでした。耳鼻科での治療を続けましたが耳鳴りが治まらず、そのことが原因で眠れなくなったことから、精神科にも通院するようになりました。

当事務所には事故から約10か月後に相談に来られました。相談時も耳鳴り等が治まっておらず、まだ治療を継続している状況でした。現在の症状についての後遺障害の申請等の今後の対応について相談を受けました。

当事務所の活動(裁判提起前)

依頼後も治療を継続しましたが、症状が治ることはなかったため、残存していた耳鳴り、難聴、不眠、意欲低下等の症状について後遺障害の申請を行いました。

しかし、結果は非該当でした。

耳鳴り、難聴については、事故から2ヶ月間経過するまで耳鼻科での治療を行っていないことや、医師が機能性難聴(外傷ではなく、心理的な原因での難聴)と診断していること等が非該当の理由でした。

不眠や意欲低下等の症状についても、精神科への通院を開始したのが事故から数か月経過してからであったこと等を理由に非該当とされました。

その後、非該当の結果に対して異議申立て(後遺障害の結果に不服がある場合に行う不服の申立手続)を行いましたが、結果は同じく非該当でした。

依頼者は非該当の結果に納得されなかったため、後遺障害を認定してもらうべく、裁判を提起しました。

当事務所の活動(裁判提起後)

裁判においても、後遺障害の有無が大きな争点となりました。

裁判の中では、依頼者が通院していた医療機関のカルテ等を提出し、耳鳴り等の症状が事故により生じたものであることや、残存している症状が後遺障害に認定するほどの重度なものであることを詳細に主張・立証しました。

結果

双方の主張、証拠が出そろった段階で裁判所から和解案の提示がありました。

裁判所は、提出された証拠を踏まえて、依頼者に残存している不眠や意欲低下等の精神症状が、本件事故により出現した可能性が高いことを前提に、当該症状については12級に相当する後遺障害(非器質性の精神障害)とした上で、和解金を計算していました。

その後、裁判所から提示のあった和解金380万円で和解しました。

所感,争点(ポイント)

自賠責保険が認定した後遺障害の結果については、裁判によっても覆ることはほとんどないと言われております。また、本件の依頼者のような非器質性の精神症状(脳組織の損傷等、器質的な異常が確認できないものの、異常な精神状態が発生していること)は、画像等の客観的な所見による証明が困難であるため、後遺障害に認定されること自体多くありません。

そのような中で、本件は、カルテ等を証拠として提出した上で症状の経過や症状の内容等を詳細に主張・立証した結果、自賠責保険が認定した非該当という結果を覆し、非器質性の精神障害の後遺障害があることを裁判所が認めてくれました。依頼者は、裁判所が後遺障害を認定してくれたことに大変満足されていましたが、私自身も弁護士として達成感を感じることができた事案でした。

(弁護士 江畑博之)

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