鎖骨骨折等 12級6号 40代男性 主張が全面的に認められ約1150万円が認められた事例

依頼者の属性 40代/男性/公務員
傷病名 鎖骨骨折、頚椎捻挫
後遺傷害の内容 肩関節可動域制限
後遺傷害等級 第12級6号

事案の概要

見通しのよい道路を走行中、対向車がセンターラインを越えてきたため、正面衝突したもの(過失割合0:100)。依頼者は鎖骨骨折等のケガを負った。治療を継続していたものの、腕が上にあがらないという可動域制限が残った。

事故発生から4か月程度経過した頃、当事務所HPをご覧になり、受任に至る。

当事務所の活動内容とその結果

後遺障害の認定

まず、当事務所は、後遺障害の認定申請のため、医療機関からカルテを取り寄せつつ、後遺障害診断書の作成を医師に依頼しました。
しかし、出来上がった後遺障害診断書は他動値の記載がないなど不十分な内容でありました。

そこで、当事務所から医師へ再度書き直しを依頼し、無事漏れのない診断書が届きました。
当事務所の予想どおり、肩関節が4分の3以上制限されているということで、12級6号に認定されました。

保険会社との交渉

後遺障害12級を前提に損害を計算し、相手方保険会社に提示しました。

しかし、相手方保険会社からの回答は、当方が提示した金額の3分の1程度しか払わないというもので、到底納得できるものではありませんでした。大きな対立点は、逸失利益と後遺障害慰謝料でした。前者については、労働能力喪失期間を稼働年齢までの計算ではなく、わずか5年分という計算でしたし、後者については裁判基準の約30%というものだったのです。

これに対し、当事務所は強く反論し、裁判基準をもとにした支払いを求めました。
しかし、これに対する回答も渋いもので、労働能力喪失期間は8年分でしたし、後遺障害慰謝料は裁判基準の40%程度のものでした。

これでは解決の見込みがないと判断し、訴訟提起を決断しました。

 訴訟活動

訴訟提起するにあたってのリスクは、交渉段階から争点であった逸失利益です。というのは、この方の場合、公務員であることやご本人の努力から、収入の減少がなかったのです。そのため、簡単に言うと、現在収入の減少がないのであれば、将来の収入減少は生じないという判断がなされるリスクがあったのです。請求する逸失利益が約1000万円であったため、この損害項目で負けてしまうと、獲得できる損害賠償金が大幅に変わってしまうという事情がありました。

実際に裁判では、被告側は逸失利益の部分を強く反論し、逸失利益は0円であるという主張をしてきました。

そこで、当方は、依頼者の職業の内容、現在の仕事への支障、職場の配慮、将来の転職先への影響などを細かく整理し、肩関節可動域が現在及び将来の仕事に与える影響が強いことを主張しました。
すると、裁判所は、当方の主張をほぼ全面的に認め、こちらの請求金額をほぼ認める内容の和解案を双方に提示してきました。

最終的にこの和解案をベースにして調整し、既払金を除いて約1150万円を支払うことで和解が成立しました。

担当弁護士の所感

事故後の減収がない場合の逸失利益の計算や、肩関節可動域制限の将来収入に与える影響等、突き詰めると難しい争点がありましたが、依頼者と長時間打ち合わせをさせていただき、密に主張書面を詰め、結果的に当方の主張が裁判所に認められて、大変うれしく思います。また、訴訟では、本来当方が尋問によって勤務状況などを立証する必要がありましたが、それを回避でき、早期に訴訟が終了したことも、依頼者にとって利益だったと思います(担当弁護士五十嵐)。

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