【解決事例】腰椎捻挫等 後遺障害が認定された会社役員の役員報酬全額を基礎収入とした逸失利益が認められた事例

最終示談額: 約340万円

傷病名:腰椎捻挫等

後遺障害等級:14級9号

弁護士特約:なし

事故の状況

依頼者は、赤信号で自車を停車していたところ、後方から来た車に追突されました。

依頼者は事故により、腰椎捻挫等の怪我を負いました。

当事務所に相談にいらっしゃったのは、事故から3日後のことでした。

当事務所の対応

事故から約8ヶ月間、治療を継続しましたが、足のしびれは完治しなかったため、後遺障害の申請を行いました。

その結果、足のしびれは、「局部に神経症状を残すもの」として、後遺障害等級14級9号の後遺障害に認定されました。

認定された後遺障害を前提に損害額を計算し、保険会社と人身損害の交渉を行いました。

争点は、損害項目の中の逸失利益における基礎となる収入でした。

依頼者は会社役員であり、役員報酬を受給していましたが、会社の従業員は依頼者の家族しかおらず、役員も依頼者一人でした。また、会社においては依頼者の役割が大きく、受給している役員報酬額も依頼者が行っている業務の内容からは相応の金額でした。

以上の事情を説明した上で、役員報酬全額は労務提供の対価分に相当するため、逸失利益における基礎収入は役員報酬全額で算定すべきと主張しました。

その結果、逸失利益の基礎収入は役員報酬全額で算定することで合意し、他の損害項目も裁判基準に近い金額で合意ができたため、示談が成立しました。

弁護士からのコメント

一般的に、役員報酬には、労務提供の対価部分の他に利益配当の部分も存在すると言われています。

そして、逸失利益の算定における基礎収入は、労務提供の対価部分のみであり、利益配当に相当する部分は含まれないとするのが実務の考えです。

他方、会社の規模、従業員や役員の構成、会社内における当該役員の役割等を踏まえれば、役員報酬全額が労務提供の対価と言えるようなケースもあります。

役員報酬全額が労務提供の対価と主張する場合には、上記の事情を一つ一つ丁寧に主張・立証する必要があります。(担当弁護士 江畑博之)

 

掲載日:2025年6月13日

投稿者プロフィール

江畑  博之
江畑  博之
昭和56年新潟県燕市生まれ。平成14年新潟大学工学部化学システム工学科へ入学。卒業後、平成18年東北大学法科大学院入学する。司法試験に合格後は最高裁判所司法研修所へ入所し弁護士登録後、当事務所へ入所する。交通事故被害者が適切な賠償額を得られるよう日々、尽力している。
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江畑  博之

江畑  博之

昭和56年新潟県燕市生まれ。平成14年新潟大学工学部化学システム工学科へ入学。卒業後、平成18年東北大学法科大学院入学する。司法試験に合格後は最高裁判所司法研修所へ入所し弁護士登録後、当事務所へ入所する。交通事故被害者が適切な賠償額を得られるよう日々、尽力している。

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